40代、50代という年齢にさしかかると尿に勢いがなくなったり、キレが悪くなり「しまった」 あとからまた漏れてしまうことがあります。これはまったく悲しいことです。
巷ではこれは老化であり、加齢とともに「腎」の働きが衰える「腎虚」という状態になるので、 腎の働きの一つである排尿がうまくできなくなることでおこるのだから「八味地黄丸」 を使うということになっています。テレビCMでよく流れる「ハルンケア」も処方は八味地黄丸です。
しかし、試してみても改善されない場合も多いです。漢方薬というのはそんな簡単なものではない。 「尿のキレが悪くなる」という症状はいろいろな原因で起こるのです。腎虚だけではありません。
僕がよく相談を受けるケースで多いのは「疲れると→勢いが弱くなる。キレが悪くなる」タイプです。 これは気虚と言います。気には@押し出す力とA漏れなくする力があります。 過労で気が少なくなれば当然尿のこのような症状は出てきます。 補中益気湯は気を益し疲労をとる漢方薬ですが、この処方を応用して使います。
また、胡桃は前立腺に形が似ていることから古くから中国の宮廷では皇帝が精力剤として使用していました。 同じ形のものは同じ形のものを治すという発想です。 胡桃の薄皮は苦いですが、苦い味は収斂作用があり「漏れなく」してくれます。 胡桃も尿キレの悪い人にはお薦めです。